無題4

少女がピアノを弾いている
僕は芸術に無知で
結局音楽にも無知で
その曲の名を知らない

それでも
夕焼けを浴び
僕は少女に寄り添う
少女はひたすら鍵盤を叩く

夕焼けが
赤く部屋を染める
少女と僕は
無言の会話を交わす

僕と少女には
背負うものがある
何かを背負っている
そんな者同士で
お互いに背負い合う

少女はピアノを弾き続ける
僕はそっと
彼女に笑みかける