2014-01-01から1年間の記事一覧

新つつじ通り 元気ですか

こどもじだいの汚らわしいポルカだけ踊り続ける醜悪な新つつじ通りタウン、そこを次々と通過していく最終講義通り抜けたお兄ちゃんお姉ちゃんがた、それを撲殺する構成された幻影、自我は自我であり他者であるが、新つつじ通りタウンの新つつじ通りにハイデ…

第5話

利奈は疲れ果てて腰を下ろしている。 相手の不良の背中が遠ざかっていく。 「名前を……」 思わず口からこぼれた。 「名前を、教えてよ」 「名前を訊くときはだな、そっちから名乗るものだって、先生から教わらなかったか」 利奈の顔が急に火照り始めた。 「わ…

第4話

南坂利奈(なみさか りな)はさっきから【ファイア】を何発も撃っていた。 しかし相手の不良にことごとく【無効化】されていた。 (こいつ……強い!) 成り行きから不良と利奈は決闘になっていた。 公園に【結界】を張って、闘っているのである。 「社会があ…

第3話

川澄あかりの行く手には、一人の【ガーディアン】が立ちはだかっていた。 【ガーディアン】の攻撃を、川澄あかりは軽やかに回避していた。 【ガーディアン】は手を組み合わせて、攻撃魔法を撃とうとした。 炎の魔法、【ファイア】だ。 しかし川澄あかりは【…

第2話

小野イッキは、今日も高校をさぼっていた。 学校に行くより、街をぶらぶらしている方が何倍もうんと楽しかった。 それに、教科書を読み始めると眠くてしかたがないのだ。 「ちょっと」 小野イッキの前に、腕章をつけた少女が立ちはだかった。 栗色の髪の少女…

第1話

その年は寒かった。何枚も服を着こまなければならなかった。 神谷希(かみやのぞむ)はコートに身を包み街路を歩いていた。 その年は寒かった。去年より何倍もうんと寒かった。 神谷希の心も冷えきっていた。 小説が書けないのだ。 かれは高校1年生で、新聞…