新つつじ通り 元気ですか

こどもじだいの汚らわしいポルカだけ踊り続ける醜悪な新つつじ通りタウン、そこを次々と通過していく最終講義通り抜けたお兄ちゃんお姉ちゃんがた、それを撲殺する構成された幻影、自我は自我であり他者であるが、新つつじ通りタウンの新つつじ通りにハイデ…

第5話

利奈は疲れ果てて腰を下ろしている。 相手の不良の背中が遠ざかっていく。 「名前を……」 思わず口からこぼれた。 「名前を、教えてよ」 「名前を訊くときはだな、そっちから名乗るものだって、先生から教わらなかったか」 利奈の顔が急に火照り始めた。 「わ…

第4話

南坂利奈(なみさか りな)はさっきから【ファイア】を何発も撃っていた。 しかし相手の不良にことごとく【無効化】されていた。 (こいつ……強い!) 成り行きから不良と利奈は決闘になっていた。 公園に【結界】を張って、闘っているのである。 「社会があ…

第3話

川澄あかりの行く手には、一人の【ガーディアン】が立ちはだかっていた。 【ガーディアン】の攻撃を、川澄あかりは軽やかに回避していた。 【ガーディアン】は手を組み合わせて、攻撃魔法を撃とうとした。 炎の魔法、【ファイア】だ。 しかし川澄あかりは【…

第2話

小野イッキは、今日も高校をさぼっていた。 学校に行くより、街をぶらぶらしている方が何倍もうんと楽しかった。 それに、教科書を読み始めると眠くてしかたがないのだ。 「ちょっと」 小野イッキの前に、腕章をつけた少女が立ちはだかった。 栗色の髪の少女…

第1話

その年は寒かった。何枚も服を着こまなければならなかった。 神谷希(かみやのぞむ)はコートに身を包み街路を歩いていた。 その年は寒かった。去年より何倍もうんと寒かった。 神谷希の心も冷えきっていた。 小説が書けないのだ。 かれは高校1年生で、新聞…

無題6

そういえば ミルトンを読んだよ 『失楽園』 すごいね

無題5

朝のナイト・アフェア 夜のモーニング・トマト 昼のイブニング・グレービー朝の…… 昼。 ああああああああああああああああ

無題4

身体を動かすんだ 元気があれば何でもできる文学に足りないのはスポーツだ

無題3

朝のナイト・ブック 夜のモーニング・デジタル連想でしか 詩が書けないし 文章も書けないや図書館 クソみたいな翻訳者の 悪文を 耳から耳へと読み下し ボルヘスが泣いている……

無題2

自動筆記だめだなこの方法は 夜のライト・フェア ただ反響するのは 耳に反響するのは アジアンカンフージェネレーション 『転がる岩、君に朝が降る』……

無題

右往左往するんだ…… これからも。ああ、たわわに実った暗黒のギンナンよ…… 神田川。僕は護国寺に抜ける。 真っ黒な神田川。右往左往するんだ…… これからも。煙草が吸えたなら!

先験的感性論

直観 認識が対象と関係するための方法。いいかえるならば、思惟における手段。成立条件:対象が我々に与えられている。 感性 表象を受け取る能力。自己に直観を与える装置。思惟が第一に関係するもの。発生条件:対象に自己が触発される。 感覚 対象が感性と…

無題5

経験と内省、 他者、 そしてライト・マーチが、 ないまぜになる。永遠に回る愛。 知への愛。 それは白痴にも似て。他者の衝撃は、 まるで経験による内省の否定。 山間部のライト・マーチが、 僕を新たな思索の旅へいざなう。

無題4

地面に腹ばいになって、 哲学書を読んでいる。ここが永遠の緑の砂漠。 ここが永遠の環境都市。 ここは砂の惑星、 夏が来たのだ。三木清、西田幾多郎が、 おれを呼んでいる。 それに、カントも。

無題3

三省堂、 喫茶、 ミックスジュース、 おいしい!嗚呼、 はるか雑踏と、 三木清や大塚久雄に、 思いを馳せ。

無題2

浮遊する、 梅雨の産業都市。産業都市の電気街で、 僕は内省に耽る。 他者を欠いた自我が、 爆ぜる。気温30度の電気街が、 僕を締め付ける。 灼熱のメイド・カフェが、 今日も炎上する。そして量販店の巨塔が、 今日も僕を歓待し、 僕をあまつさえ資本主義…

無題

朝のライト・マーチが、 揺れる……。 朝のライト・マーチが揺れる。コーヒーとともに湧き出る夢。 朝が来たのだ。 朝が来たのだ。

浮浪者(Σ)

桃の匂いがする。 婆さんが、白桃を切り分け、 みずみずしく、 お皿を縁側の浮浪者に指し示してくれる。

タイムトーク

走りだせ……、 時の銀河、そう、麦畑に。 冬の麦畑も、 夏の麦畑も、 等しく鷹揚。日々を認める。 あの「夜のライトマーチ」と、 原稿用紙に書き付けた夜。 麦畑は追憶。 音楽は麦畑。 それは、死んでいった同級生の韻律。 永遠の転生。 永遠の生命。それが、…

韻律 ギリシア!

韻律よ、 貴方はデルフィの信託。 ソクラテスよ、 なんじは韻律のオリンポス。

チェ、チェーホフ

トルストイ…… チェ、チェーホフあるのは、韻律だけ。 あるのは、音楽だけ。 風の中の音楽。 そして揺れる少女の髪。 そこが世界の中心。そして、チェ、チェーホフ

大井競馬を呪い殺す

大井競馬の夜……。 私は、もう来ることはないだろう。 予想屋と喧嘩してはいないのだが。空港から逃げてきた私は、 馬糞の匂いに紛れる。 あの、 自動筆記に溺れていた3月。 ブルトンばかり耽読していた。 罪、 恥……。馬糞にまみれ、 私はパドックに転がり込…

図書館(A)

岩田宏を読んだ。 傍らには、美しい女子大生。 それと、しどけない大学生、その他大勢。図書館にアリストテレスが鎮座ましまし、 それにしどけない日本人学者の本も。 鷹揚であらんことを、 鷹揚であらんことを、 ひそむ古(いにしえ)の随筆家たちも。岩田…

教えて

教えて、 戸山公園の木陰のざわめきよ。教えて、 戸山公園の池のしずくよ。夏が来たのだ。 照りつける大学生、 夏が来たのだ。

無題4

朝のパイプオルガンが揺れる。 ここに天上の思い。 僕は雲に寄り添う。

無題3

夜……。 とっぷり暮れた。 久々の常夜灯。代わる代わる合唱する、 マンションの灯り。 都会では、 詩は産めないよ。 田舎に帰ろうよ。 そう囁くはPCの画面。

無題2

ドーナツが焼けた。 ドーナツの優しい香りが、 6月の甘い食卓を強調する。

無題

夏 どうなっても 夏

砂の館

砂の館。 傾斜した鏡が、 虚空を見つめて。バンガローが、 しなびた湖畔の木陰を強調。 まるで、セックスの匂いもしない、 野外キャンプ。その中に、 砂の館がたたずみ、 漫画みたいな感興を、 キャンプ参加者に呼び起こす。砂の館、 それが幻でも、 砂の館…