2013-01-15から1日間の記事一覧

無題6

言葉と 風景が 爆ぜる白い山並み ぼくの生きた町 そしてぼくがもう生きない町 死んだ午後のバス通り ロータリーには 老人が立ちすくみ鬼のすみかは何処へやら 鬼も大人ももうおらず 社会がなく 世間も成り立たず 白い稜線だけが 空っぽの駅前広場を見守って…

無題5

ここがぼくの生きる街 そこはぼくが捨てた町 そこはぼくが生きた町 ここはぼくが果てる街

無題4

僕の生まれた町は 鬼のすみか 民度の低い町 青い顔をした 大人たちが 老人たちが ゆらゆら駅前に 亡霊が闊歩し まるで猫町 透明な鬼の群れが 渡り歩く駅前道路その駅前ロータリーには 音楽すら響かずに 小学生と 中学生だけが ぶらぶら しどけない空 しどけ…

断章

請求書が爆ぜる

無題3

もうすぐ もうすぐトルストイが トルストイがここは文京地区 老いた人のるつぼ そこを学徒が横切り 文の都 文の都窓際に差し込む ロシア文学 それが夕刻の読書

無題2

ここは文の都 とこしえの収穫祭 とこしえの収穫祭が 春を呼び 秋を呼び 学問と 言葉に 溺れた 天使

無題

銀杏並木の通り 踏みしめ 踏みしめ ぎっしり ぎっしり多幸感が 多幸感が