2013-01-15 無題4 僕の生まれた町は 鬼のすみか 民度の低い町 青い顔をした 大人たちが 老人たちが ゆらゆら駅前に 亡霊が闊歩し まるで猫町 透明な鬼の群れが 渡り歩く駅前道路その駅前ロータリーには 音楽すら響かずに 小学生と 中学生だけが ぶらぶら しどけない空 しどけない雲美容院と ひなびた喫茶店の ひなびた窓辺に 僕は死んでいった猫の亡霊を鬼は外 鬼は外 鬼の町は昔のいわれ いまは白い山並みに 誰も分け入らず 分け入っても 空虚で 空疎僕が捨てた町