無題8

もはや哲学も文学も
自分にとって意味をなさない
本だけが床に散らばっている

肉を食う
魚を食う
そんな生物学的本能だけが
僕をとりこにする
快楽を
そう快楽を

何もかも投げ出して
裸になって
文明を幻想にして
芸術を妄想とみなし
僕は進む
明日へ進む
ただ剥き出しの生を