2013-05-20 砂丘 1 砂丘に、大の字になって、 穏やかな雲の笑顔を見つめていたい。風にそよぐ木立が、 砂丘に何の強調も与えず、 時は永遠に止まったまま。おれは山陰で生まれた。 でも砂丘には育たなかった。 砂丘とよそよそしい関係。 砂丘は他所の子。砂丘に、うつ伏せになって、 甲子園球場の砂を舐めてみたい。 幾百年の砂の記憶をたどり、 おれは蟻地獄となってみたい。