とある、畑いなかの

砂糖畑の落ち葉を拾い立てて
幾年
砂糖畑の落ち葉を拾い立てて
幾年
トートロジー
いたちごっこ
ブーメラン
カラスが
いななく
秋枯れ、
夕枯れ、
日没の空に
死んでいった星の残像を
見つけてご覧
見上げてご覧

僕たちは
唱歌を口ずさみながら
麦畑をゆく
電子に染まった愛称音楽を
口だけ奏で
月日がめぐり
電子音楽
暖簾に腕押しの
思春期みたいな夜が
つるべ落としで
中途半端に発達したからだを
夢のなかでもてあそぶのにもバッテンをつけて
やがてはこの故郷を去り
あるものは死に
あるものは人でなくなり
あるものは人を導き
あるものは生き続け……。